ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Pictorial Fall

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

久しぶりに外で写真を撮りました。最近、少し慣れてきたSuper Takumar 50mm 1.4を使いましたが、こういう方向で色調補正するならどんなレンズでも別にいいんですよね。いや、ほんと、AFでズームレンズの方が圧倒的に便利だと思います。極端な話、ボケが欲しければPhotoshopのlens blur使えば良いですし、粒子を少し荒らしてるのでフルサイズの画素数も要りませんし。マイクロフォーサーズの14-100mmとか一本あれば十分。そういう話になると、別にSonyのRX100の望遠の付いた28-200mmあたりで全て済んでしまうのかも知れません。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

ここ暫くはこういう方向で写真を仕上げて行くつもりなのですが、実は考えてるプロジェクトがあります。これらの素材をプリントアウトしパネルに貼りその上からワックス処理するというもの。こちらではEncaustic Paintingと呼ばれるジャンルのアートなのですが、写真の最終出力の形として取り入れている写真家が最近増えてきています。熱したワックスを刷毛で塗りレイヤーを重ねることで独特の風合いを表現する技法なのですが、私のピクトリアル系のイメージとは相性が良さそうな気がしてます。今、技術的なことや必要な機材のリサーチをしてまして、作業場所の確保の問題もあり、まだまだ準備段階。どうなりますか。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

 

 

 

 

Sabi

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

日本の生花に関しては詳しくないのですけど、花と一緒に木の枝みたいな素材をよく組み合わせますよね。私は菊とか百合とかの花よりも、あの木の枝のフォルムに惹かれてしまいます。時々、赤い実の付いた枝なんかも使うようですけど。枝、葉、実というシンプルな要素が黄金分割の法則によって規則的に構成されている様は単純に美しいと思います。

 

カメラのレンズを通してそれらの要素を空間の中でバランスを取り画面構成するわけですけど、アングルやレンズの絞りでどんどん変化する構図ハンティングは楽しい作業です。繊細な枝振りをしっかりと立たせるには、やはり単純な白いバックでしょうか。白いバックといっても、階調の濃度はコントロールできますし、色調によって微妙に色が乗ってきますのでそのバリエーションは案外に豊富。色調に関してはケース•バイ•ケースですが、やはり侘び寂び感を意識して彩度をやや落とす方向で処理してます。

 

この手の被写体は野外でも見つけれますし条件が整えば外で撮れるのですが、背景が綺麗に抜けてくれなかったり邪魔な要素が入ってきたりすることが多いようです。野草の類は特に枯れてるわけですし持ち帰っても問題はないので、自分は自宅でじっくりと撮影する方が好きですね。スペースの関係で寄り気味の写真にはなるのですけど、元々外でも標準レンズを使いこの距離で撮ることが多いので特に問題はありません。

 

 

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

 

Today’s Music 67 | Ryuichi Sakamoto

 

 

 

 

Wabi

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

私は写真と絵画の境界線がどこのなのか、特に写真がデジタル化した後の状況でなのですが、ずっと考えてきました。それは自分が絵も描くということも関係しています。ひとつ言えることは写真がデジタル化されたことで、より絵画に近ずける要素が増えたという事実はあると思います。今現在、別に写真は絵画に寄り添う必要はありません。写真は写真で立派に独立してます。それは単に私の個人的な問題なのです。

 

写真がデジタル化したことで、Photshopという個人現像所が出来て表現の自由度は一気に拡散。ただPhotshopを本当の意味で創造の道具にしている人は限られていました。Photshopの機能が豊富すぎるために、それに振り回されてしまう人が多かったのです。まあ、自分もそのひとりで、そんなデジタル•ジャンクを長年生み出してきた方なのですけど。最近、やっと使う目的と手段の選別、それと多少蓄積された技術のお陰で少しはマシになってきた気がします。

 

今回アップしてるイメージは自分がここ数年テーマにしているシリーズで、上に書いたようなことを自分なりに探っているものです。主に外での風景写真から制作することが多かったのですけど、時々、室内の花などでもトライしてきました。今回、枯れた野草を外から拾ってきて撮ったのですけど、日本人としてのDNAがちょっと反応した気がします。枯れ枝のフォルムや命が消える時の彩度の落ちた色。いわゆる「侘び寂び」でしょうか。時々、こちらの人に「Wabi-Sabiって何?」と聞かれて、どう答えていいか、返答に困ってしまうのですよね。もし機会があれば今回のシリーズを見て貰うのが、説明に役立つかもな、と思った次第。

 

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

 

 

Rose Bouquet #2

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

昨日アップしたバラを白バックで撮ったバリエーション。絞りは開放に近く中心の花から緩やかにボケるように、一段ずつ絞って3パターンほど押さえました。絞り2.8あたりのイメージがボケ過ぎず適性だったので最終版としてピックアップ。補正のイメージとしては、ヴィンテージの古い絵葉書。コントラストを下げて彩度も落とします。昨日の写真はオランダ静物絵画がイメージにあったのでシャープネスを追求するような補正方向でしたが、今回は全く逆になります。

 

 

Today’s Music 66 | Jeff Beck

 

この曲は確かアルバムWiredに収録されたいたジャズ•ベーシストの巨人チャーリー•ミンガスの曲。レコードの曲とはかなりアレンジが違いますが、ジェフ•ベックのギターは圧倒的。この人が孤高の存在で他のギタリストを全く寄せ付けないことを心から理解できます。

 

 

 

 

Rose Bouquet

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

連日雨のビクトリア。バンクーバー島、今年の秋は本当に雨が多いです。先週サーモン•フィッシングのガイドを5日ほどしていたのですが、雨のせいでかわの水位が上昇、難しい釣りとなりました。サーモンは川にいるのですが、川幅が広くなりキャスティングの距離がサーモンの場所まで届かない状況。自然が相手の遊びなので仕方がないのですけど、日本からのゲストには申し訳なかったです。

 

釣りのシーズンも終わりそろそろ写真を外で撮ろうと思ったのですけど、連日の雨のせいで外にカメラを持ちだせない状態。そんなわけで最近は室内で花の撮影がメイン。限られたスペースとセッティングなのですけど、まあ、それなりに楽しんでます。同じパターンになってしまうのはしょうがないのですけど、頭を絞って何とかバリエーションを展開させたいと思ってます。この写真は少し絞ってボケを使わずにクラシカルな絵画をイメージをして色調補正してます。

 

 

 

Today’s Music 65 | Jeff Beck

 

先日、ジェフ•ベックのドキュメンタリー番組をテレビで見たのですが、この人、全く老けないですね。今75歳らしいのですけど、ギターはもちろん好きなスポーツカーを自分で組み上げたりして、好きなことだけやってる人生はストレスが溜まらず老けないのかも知れません。この曲はアルバムBlow by Blowの中の曲で、ロイ•ブキャナンに捧げた有名な曲。ピックを使わず指弾きですけど、ピックを使ったようなシャープな音が出てます。相変わらずアームの使い方が神業です。ベースのタル•ウィルケンフェルドはオーストラリアのフュージュン•ベーシストで、この時まだ20歳そこそこなはずですけど、なかなか心に沁みるソロを弾いてますね。