ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Morning Dew

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

Down to the beach シリーズはもう一回分ストック(5、6点)があり#3をアップしようと思ったのですけど、その翌日の朝に撮った分を現像したので、これを先にアップします。朝早かったので光はダイレクトではなくて柔らかく廻った状態。主に寄りのショットをメインに撮影したのですけど、やはりヘリコイド•アダプターが無かったらここまでは寄れなかったはず。撮影最短距離が半分になるのはやはり大きいです。自分の場合、寄りと言っても極端にマクロするわけではないので、この距離まで必要十分。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

もちろん絞り開放の1.4でボケ狙いですが、同じ寄りのショットでも背景の状況でボケの出方が全く違ってきます。まだレンズに慣れてなくて予測不能なボケの出方にちょっと驚かされてる状態。ま、概ねそのボケの出方は気に入っているのですけどね。今回、現像はデフォルトではなくて色々スライダーを触ってみました。と言ってもAutoの設定から多少Defaultに戻す感じで、オリジナルのイメージがベースになってます。全体の色味はTemperatureとTintのスライダーのみで調整、個別の色味を弄るHLS Adjustmentは触ってません。TextureとClarityを上げることで、ピントが合った部分の解像感と質感が一段アップ。まあ、好みなんですけど、私はシャープネスを使うよりこちらの方が好きですね。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

色味に関してはあくまでオリジナルが持つクラシカルなトーンを尊重してます。実際、このトーンはとても自分好みなのでバランスを変える必要がありませんしね。それにしてもちょっと現像でいじっただけで、画像が持ってるポテンシャルをさらに引き出せたよう感じます。特に絞り開放では甘い描写と巷で言われてますけど(自分は十分にキレがあると思ってますが)、ピンが来てる部分のシャープネスをちょっとプッシュして上げることで、より背景のボケとの対比がハッキリとしてきます。

 

仕上がった画像を眺めてみて、これが1964年に登場したレンズとは到底思えないのでした。多くの人がこのレンズを銘玉だと褒めてますけど、今回自分自身でそのことの意味を噛みしめることが出来ましたね。と言っても決してバランスの取れた優等生のレンズではなくて、どちらかと言うとエキセントリックなタイプ。敢えてもっと極端なことを言わせて貰えば、開放の端正なシャープネスとボケの奔放さがミックスして画像に現れるのは、まるでジギルとハイドが同時に現れる人格破滅型レンズ、でしょうか。

 

 

 

Today’s Music 59 | Erick Satie