ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Flowers #3

f:id:matsu2012:20191206215300j:plain

Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

室内で花を撮ってるのは、それがが好きだということはもちろんなのですけど、実は仕事というか、副業の意味合いがあります。作品を業務用ストックエージェントに預けているためです。業務用とは、新規ホテルやレストランのオープン、改装などで必要になるイメージを専門にしているため。簡単にいえば、ホテルの室内やレストラン内の額装された写真などですね。以前は通常のストックフォトエージンシーに預けていましたが、デジタル写真の普及と共に単価が暴落し、売上が激減したため止めてしまいました。

 

業務用の場合、個別の単価はさほどでもないのですが、ホテルなど決まればそれなりに数が出ますので、それが大きいですね。まだ始めてから1年ほどなのでそれほど数は預けていないのですけど、今年はフロリダの新装ホテルの大口なども決まり、ちょっと驚くような金額が振り込まれました。当たれば大きいですけど、残念ながらコンスタントな売上が計算出来ところまでは行ってません。その預けている写真の中で、やはり花の需要は高く無視出来ないのです。あらゆるターゲットに無難にアピールできる普遍的なテーマですからね。

 

f:id:matsu2012:20191206215401j:plain

Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

エージェントに写真を預けてビジネスとする実際の流れを簡単に書いてみます。まずはエージェントが作品を気に入り預かって貰うために、作品を見て貰う必要があります。これは自分のベストな作品サンプル数点をメールで添付し、後は自分のサイトのアドレスを書いておけばいいだけです。相手が作品を気に入れば連絡が来ますし、ダメなら無視されます。どんな作家が採用されるのか、その基準に関しては私は分かりませんが、それなりの癖というか、明確なスタイルが見えてこないと難しいかも知れませんね。プレゼンテーションは色々なスタイルを見せずに、絞り込んだ作品を選んで、あ、こういう方向の作家なのだ、と思って貰うことが大切という気がします。

 

さて、一度契約すれば後は作品を送るだけなのですけど、エージェント側のセレクションがあるので、送った作品を全て採用される訳ではありません。私の場合ですと、約7から8割ぐらいは取ってくれるようです。このセレクションの段階では、ローレゾの軽いJPGを送ります。長い辺で1000ピクセルもあれば十分。その後、決定した作品のハイレゾ•バーションを送ります。以前は6000/4000ピクセルぐらいのRGBのTIFFファイルでしたが、最近はカメラの解像度が上がったため8000/6000あたりを要求されてます。私のカメラはそこまで解像度がないのでPhotoshopピクセル補間しています。ピクセル補間はアンシャープマスクなどシャープネスのコントロールが正しく出来れば問題ないです。

 

f:id:matsu2012:20191206215435j:plain

Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

ピクセル補間で注意することは、シャープネスを効かせ過ぎないこと。シャープネスの追求は画質を劣化させる側面があります。最終的な出力に合わせて担当デザイナーはシャープネスを調整するので、それを見込んで余裕を持たせる必要があります。例えばオリジナルの4000ピクセルを6000ピクセルに補間するなら、4000ピクセルで原寸拡大し、そのシャープネスの印象をそのまま6000ピクセルに合わせればOK。それ以上、シャープネスを追い込むことはしません。

 

300dpi、8000/6000ピクセルTIFFファイルは大体約250MBほどのデータサイズ。4点で約1Gとかなり大きいです。TIFFファイルは圧縮しても、さほどJPGのように軽くなりません。私が前回エージェントに送ったサイズはトータルで9.2Gでした。私の場合、データ転送に関しては有料版のDropBoxを使ってまして、これが一番簡単で信用できます。有料版は2テラバイトが上限なので、これを使い切ることはないでしょう。相手側のホルダーにファイルをドラッグすれば、時間は少し掛かりますが、落ちることなく送ってくれます。これで納品完了で、後はエージェントが新しいイメージをサイトにアップするだけです。

 

以上、簡単ですが、ストックフォトで作品を売り込むプロセスとその実作業の話でした。ディスクに眠ってる自信作があるのなら、ストックフォトで活用するというのはどうでしょう。うまくすれば、カメラ等の機材費がカバーできかも知れませんよ。