Collage #1
ここ暫く、自分の撮った素材をネガティブに変換しそれを元のイメージとオーバーラップさせることで、画面の中でリズムやコントラストが出てきたら面白いかも、とPhotoshopの中で遊んでました。元々、自分の撮る写真は遠近感の少ないフラットなものが多いので、案外に複数の素材の組みわせには向いてるという気がします。シンプルな樹木や草木のミニマルなフォルムにフォーカスして、日本画や着物の柄などを連想させるようなものにしたいという漠然としたイメージは頭の中にありました。白と黒のバランスを考慮し、フォルムのオーバーラップで増幅するイメージの広がりを探す作業は、オーソドックスな写真のスタイルとは異なりますが、なかなか楽しいものです。これからシリーズとして制作出来ればと思ってます。
Night & Day
久し振りの更新。ふと気がつけば2月の半ばになっておりました。先日、温暖なビクトリアでは珍しく気温が下がり、雨が雪に変わり、結果的に30センチ以上の降雪となったようです。普段、雪が降らない市内では、子供達が雪だるまをせっせと作っておりましたし、ビーコンヒルの南側の長い斜面では、ソリ遊びをするファミリーで賑わっておりました。今ではその雪もほぼ姿を消して、多分これから気温が少しずつ上がり、2週間ほどで桜が咲き出すのではないでしょうか。
ここ暫く写真の方はほとんど撮っていなくて、ちょっとスランプ状態でした。同じような場所、アングルに飽きてしまったこともあるのですけど、まあ、そういう時は無理に撮ろうとしないようにしております。過去にもそんなサイクルを繰り返してきてまして、また何かのきっかけでまた撮り出すでしょう。今はちょっと室内の撮影でアイデアがあるので、それを今膨らませている段階ですので撮れたらボチボチとアップしていく予定。定点観測している海峡の貨物船は撮っているので、今回は2点ほど久々にアップします。
さて、ピアニストのチック•コリアが先週ですか、亡くなりましたね。いつも若くて活動的で60歳代くらいのイメージだったのですけど、78歳だったとか。私が最初にチック•コリアを知ったのは彼のグループ Return To Foreverのデビューアルバムで多分70年初頭のあたりかな。「Spain」というとてもキャッチーな曲が世界的にヒットしました。その後、彼はオーソドックスなスタンダードジャズをやったり、幅広い活動をして来たわけですけど、私の中では「Spain」のイメージがやはり大きいですね。この曲は沢山のミュージシャンにカバーされてまして、今でもよく耳にする楽曲です。R.I.P Chick Corea.
Winter Storm
サーモンフィッシングのシーズンが終わり、バンクーバー島は本格的な雨季に突入して荒れ模様の天気が続いてます。私自身は、釣りのモードから写真の方に気分がうまく切り替わらず、ほとんど写真を撮らない状態でした。天気が荒れ模様でカメラを持ちだせない日々が続くと、写真を撮ろうという気分が萎んでしまうのですよね。天気が回復すれば、またコンスタントに写真を撮るようになると思います。今回の一枚は、海が荒れた日に一瞬だけ厚い雲の合間から太陽の光が差し込んだ時のもの。暗い嵐の海に希望が見えた瞬間でしょうか。
Riverscape
さてさて、アメリカの大統領選挙。国を真っ二つに分けての関ヶ原状態。どちらが負けても、暴動になるのではないかと言われ、商店街のお店はベニヤ板を打ち付けて襲撃に備えてます。ニュースで見てると、有利だったバイデンのポイントはトランプの追い上げで、激戦州では僅差になっており、今の段階では五分五分といった予想。面白いですね、この大勝負。あ、でも、郵送の票が集まるまで時間が掛かるということで、結論が出るまで10日ほど掛かるとか。最も、結論が出ないかも知れないという予想もありますけどね、どうなりますか。
そんな中、サーモン•シーズン終了間際の川へ行って来ました。川にはまだまだサーモンも多く、特にフレッシュなメスが新たに上って来たので、十分にサーモンの釣りを楽しむことが出来ました。朝方冷え込んだのですけど、陽が登ると気温も緩み、紅葉の進んだ川辺に立ち、川をゆっくりと流れて来る黄色やオレンジのメープルリーフを見てると、ポカポカと穏やかな気分になるのでした。川には産卵を終えたサーモンが岸辺に打ち上げられて、それを目当てに大量のカモメが海からやって来ており、そこら中を飛び回ってます。昔観たヒチコックの「鳥」という映画を思い出しました。
オットセイも海から川に入り込んで、サーモンを追いかけ回してます。海でサーモンを狙うよりも、狭い川に大量にいるので捕食しやすいのでしょうね。一度、私が掛けたサーモンを横取りしようと追いかけ回してかなり焦りました。オットセイの追跡を交わして、何とかサーモンを岸辺に引き上げましたが、危なかった。カモメにしても、オットセイにしても、川は生きるための捕食の場なわけで、遊びに来ている人間はそれに文句を言う立場にはありません。やはり自然の一部を貸して貰ってるとという謙虚な気持ちを持つべきなんですよね。
Salmon Therapy
秋も終盤に入り、河畔の木々も黄金色に輝いてます。スークリバーのサーモンフィシングも今がピークで、私もこの時期はせっせと川へ通ってまして、釣りが楽しめるのもあと10日前後でしょうか。先日の雨が、新しいフレッシュなサーモンを河口から押し上げて、釣りのコンディションはとても良く、今がピーク。フレッシュなサーモンは、フライへの反応も良く、フッキングしたサーモンはリールのラインを一気に引き出して、左右に走りジャンプを繰り返します。アドレナリンが吹き出して戦闘モードに入るのは、遠い狩猟時代の祖先のDNAのせいでしょうか。
このサーモンと対峙している時間というのは、5分とか、10分とか、そんな時間だと思うのですけど、「今」に集中しているせいか、頭は空っぽになってます。頭が空っぽの時間というか、時間の概念そのものがもう無いのですけど、普段の暮らしの中で、その状態を出来るだけ作ってあげることが、ダイエットやエクサイズよりも大切な気がしますね。最近、よくサーモンとファイト中にバラすのですけど、ゲームが途中終了した途端に、「なんで?」「何が問題なの?」「ちょっと強引?」などと自分の思考がワラワラと戻ってきます。空白の感覚と、思考が戻ってくる感覚。その差に気がつくと、より空白の時間の心地良さが浮き彫りにされますね。サーモンと遊ぶゲームはセラピーなんですよね、きっと。