ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Morning Dew, Monotone

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

モノトーンなのですが、私の場合、デジタルなのでカラーで撮ったものを色調補正の段階でモノトーンに変換をする方法を取ってます。現像の段階でモノトーン現像する方法が一般的ですが、カラーのままPhotoshopに持ち込みB&W変換する方が好みです。色要素を個々にスライダーで微調整しそれをモノトーンに反映させることで、より写真の立体感を得ることが出来るからです。自分にとってモノトーン写真とは、中間トーンの豊かさで風景の空気感を出すことかも知れません。中間トーン、シャープネス、立体感がキーワード。

 

さて、私が目指すモノトーンとSuper Takumar 50mm 1.4はなかなか相性が良いようです。コントラストが強すぎないのでシャドウのつぶれもほぼ無いですし、多少あっても補正で起こしやすい素材。ピンが来てる部分のシャープネスはもちろん十分ですし、ボケの階調も綺麗にモノトーンに変換されています。モノトーンの場合も絞り開放付近でのボケの組み合わせで画面を構成するのが、やはりこのレンズの味を生かせるのではないかと思います。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

 

 

Today’s Music 61 | FKJ

 

 

 

 

 

Square

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

空いてるスペースに英文のタイトルなんかを入れたくなるのは、元グラフィック•デザイナーの性なのでしょうか。正方形でセンター•オフの構図は意識的にやらないとなかなか難しいです。どうしても日の丸構図になりがちな正方形。対象をセンターから外せば成立するのかと言うと、そんな単純なものではなくて、ホワイト•スペースとのバランスとか、まあ、色々あります。レコード•ジャケットは正方形の構図の宝庫でして、音楽好きは自然とそのパターンを脳内に蓄積されているかも知れませんね。写真という視点からオススメしたいのは、ジャズレーベルのブルーノートECMあたり。ブルーノートは50、60年代のモノトーンのシリーズが良いです。ECMの写真はミニマル傾向が多く、シンプルに構成することの勉強になります。今回の写真、色調は彩度をやや落としグレインを加えビンテージ風に処理してます。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

 

 

 

 

Today’s Music 60 | Erick Satie

 

 

 

 

 

Morning Dew

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

Down to the beach シリーズはもう一回分ストック(5、6点)があり#3をアップしようと思ったのですけど、その翌日の朝に撮った分を現像したので、これを先にアップします。朝早かったので光はダイレクトではなくて柔らかく廻った状態。主に寄りのショットをメインに撮影したのですけど、やはりヘリコイド•アダプターが無かったらここまでは寄れなかったはず。撮影最短距離が半分になるのはやはり大きいです。自分の場合、寄りと言っても極端にマクロするわけではないので、この距離まで必要十分。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

もちろん絞り開放の1.4でボケ狙いですが、同じ寄りのショットでも背景の状況でボケの出方が全く違ってきます。まだレンズに慣れてなくて予測不能なボケの出方にちょっと驚かされてる状態。ま、概ねそのボケの出方は気に入っているのですけどね。今回、現像はデフォルトではなくて色々スライダーを触ってみました。と言ってもAutoの設定から多少Defaultに戻す感じで、オリジナルのイメージがベースになってます。全体の色味はTemperatureとTintのスライダーのみで調整、個別の色味を弄るHLS Adjustmentは触ってません。TextureとClarityを上げることで、ピントが合った部分の解像感と質感が一段アップ。まあ、好みなんですけど、私はシャープネスを使うよりこちらの方が好きですね。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

色味に関してはあくまでオリジナルが持つクラシカルなトーンを尊重してます。実際、このトーンはとても自分好みなのでバランスを変える必要がありませんしね。それにしてもちょっと現像でいじっただけで、画像が持ってるポテンシャルをさらに引き出せたよう感じます。特に絞り開放では甘い描写と巷で言われてますけど(自分は十分にキレがあると思ってますが)、ピンが来てる部分のシャープネスをちょっとプッシュして上げることで、より背景のボケとの対比がハッキリとしてきます。

 

仕上がった画像を眺めてみて、これが1964年に登場したレンズとは到底思えないのでした。多くの人がこのレンズを銘玉だと褒めてますけど、今回自分自身でそのことの意味を噛みしめることが出来ましたね。と言っても決してバランスの取れた優等生のレンズではなくて、どちらかと言うとエキセントリックなタイプ。敢えてもっと極端なことを言わせて貰えば、開放の端正なシャープネスとボケの奔放さがミックスして画像に現れるのは、まるでジギルとハイドが同時に現れる人格破滅型レンズ、でしょうか。

 

 

 

Today’s Music 59 | Erick Satie

 

 

 

 

 

Down to the beach #2

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

Super Takumar 50mm 1.4で撮った画像を引き続き紹介します。今回の画像サンプルでかなりこのレンズの特性をご理解頂けるとかと思います。あらためてこれらの画像を眺めてみて、ちょっとびっくりしているのですよね。ほとんど絞り解放で撮ったことは前回に書きました。ちなみに現像段階でシャープネスなどは一切掛けてません。しかし絞り解放でここまでキレのある描写をしてくれてます。

 

ざっと言うとこのレンズには3つの賞賛されるべき点があります。1つ目は、最初に書いたように絞り解放でのシャープな描写。正直、マニュアルフォーカスの拡大機能を使って辛うじてピントを合わせている状況で、決して楽なピント合わせではありません。解放ではそのピントの幅は薄いですし神経を使いますが、ピントがあった際の解像は50年前のクラシックレンズという立場を考えると文句の付けようがありません。いや、思い切ってモダンレンズにも引けは取ってないと言ってもいいでしょう。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

二つ目はボケのキャラクター。暴れ系と細かな玉ボケ系、それと蕩ける大ボケ系の3種類を一つのレンズで楽しめます。もしボケの特性を理解してこのレンズを使いこなせれば、かなりの表現の幅が拡がると思います。基本的に絞り解放でガンガン撮っていけば、そのボケのキャラがどう出て来るのか、次第に分かってくるはず。解放でボケを狙う専用レンズとして使い方がやはり一番合ってると思います。

 

三つ目はカラー、色味です。やや彩度が落ち気味でいわゆるクラシカルなトーン。コントラストもやや低めですけど、それでも画像が眠いと言う感じせず、色味とのバランスは取れてます。現像の方向ですが、極力シャドウの落ち込みを抑えやや明るめにフワっと仕上げるのが良いでしょうね。晴れの日向きというか、光を取り込んで明るいボケを活かし軽快感を演出するような使い方がベストでしょうか。インスタグラムなどでよく見かける明るいフィルムっぽい写真は、正にこのレンズの特性と言えます。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

自分の写真スタイルとこのレンズの特性がマッチするのかはもう少し使ってみないと何とも言えませんが、晴れの日に持ち出したくなるレンズを持ってなかったので、少なくてもそれに関しては大きな収穫でした。特にレンズの値段を考えると、そのコストパフォーマンスは驚異的ですらあります。

 

 

 

 

 

Down to the beach

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

先日のサーモンの釣りでの疲労が抜けず、二日ほど身体の節々が痛かったです。サーモンは本当に力が強く、体を踏ん張って文字どうり格闘するわけですけど、20匹も相手をするとさすがにダメージが残ります。いい歳なので5、6匹釣ったら、さっと帰ってくるくらいの嗜みが欲しいのですけど、ダメですね。もっと、もっと、という欲に駆られて、つい深追いしてしまいます。まあね、例の開高健さんも「グラスの縁に口を付けたら最後まで飲み干せ」と言ってました。釣れてる間はトコトン行くのが釣り師な訳で、反省してもしょうがありません。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

そんなわけで本日は新しいレンズのSuper Takumar 50mm 1.4を付けたカメラを持って、家の前の海岸でブラブラとお散歩リハビリテーション。サーモン釣りで忙しい時期になり、前回ちょっとだけテストしただけでまだほとんど使ってないこのレンズ。前回は曇りの日でしたが、本日は雨上がりで陽が差し込んできた状況なので、少し違う結果になるのではないかと予想。今回もほとんど絞り解放で撮影して、そのボケ具合をもう少し確認することにします。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

植物と海岸で撮ったものはボケの種類が異なりますね。細かい石など背景がある場合、同じ絞り解放でも滲んだような細かな玉ボケが発生してます。まあ、うるさいって感じでも無くて、面白いと許容出来る範囲かな。いや、嫌いじゃないですね。現像なんですが、ほとんどデフォルトでいじってません。私はJPGでは撮らないのですけど、撮ったらこの感じで出てくるはずです。ちょっとフィルムらしい色乗りで、多少、四隅が減光してますね。前回撮ったサンプルよりも、かなり好感が持てる色味かも。

 

とりあえず暫くはこのオリジナルの雰囲気が悪くないのでこのまま使ってみます。どうせ、そのうちヴィンテージ•スタイルの色味に弄ってみるとは思いますけど。彩度も低めだし、弄りやすい素材かな。Jupiter-8よりは多少モダン風味ですけど、描写の雰囲気が似てるところもありますね。このタクマー50mm1.4、ちょっと良いかも.. という気分になってます。

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

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Sony A7 II + Super Takumar 50mm 1.4

 

 

 

 

Today’s Music 58 | Robert Glasper Trio

ハービー•ハンコックのオリジナルはもちろん、とても良いのだけど、このグラスパーのやつもかなりええわ。テーマからソロへの展開が鳥肌もの。このトリオ、ドラムとベースも尋常じゃないです。

 

 

 

 

 

A Winner of Triple Crown

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Sony RX100

 

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Sony RX100

 

当ブログは一応写真ブログですけど、以前やっていた釣りブログをこちらに移したのでサーモンのシーズンには釣りネタも入ってきます。どちらかというと自分の備忘録的な意味合いで書いてまして、興味の無い方はスルーお願いします。

  

10月3日。この日は午前中だけの予定でサーモン•フィッシングへ。スーク•リバーへ着いたのが午前7時ごろで、前回と同じプールへ向かいます。川へ着くとサーモンがさざ波を立てて回遊しており、よく見ると2匹のアシカが海からサーモンを追って川へ入り込み、サーモンを追いかけ回しているのでした。よくある光景で、アシカがサーモンを捕まえて食事をすれば静かになるはずです。その間、釣り具のセッティングをすることに。

 

先週よりはサーモンの数は増えてるようで、透明度の高い水越しにサーモンの群れの影がはっきりと見えます。私が釣り始めるとすぐにリタイヤしたと思われるジェントルマンが隣に入り、二人でプールをシュアすることに。釣り始めの1時間ほどはサーモンの活性が低く、なかなかバイトがありませんでしたが、朝日が水面に差し込むようになると突然スイッチが入ったようにサーモンがフライをテイクします。

 

この日はサーモンの活性が高く比較的バイトが途切れずに釣り続けることが出来ました。チャムサーモン(秋鮭)が数が多くメインのターゲットでしたが、シヌックサーモン(キングサーモン)、コーホーサーモン(銀鮭)も一匹ずつ釣れて合計3種類のサーモンをランド。3種類のサーモンを1日で釣ったのは初めてでした。フライに関しては活性が高かったせいか、比較的どんなフライでも選り好みせずテイクしたようです。ただフライ•ローテーションしないとサーモンもフライに慣れて、見切ってしまいます。

 

お隣の年配の方はなかなか腕のいいフィッシャーで、そのキャスティングを見れば大体そのキャリアが分かります。しっかりとサーモンの層にフライを流し、コンスタントにヒットさせていました。お互いに交互にサーモンを掛けては、その取り込みを見守ります。サーモンが掛かるとプールを左右に暴れるので、他のフィッシャーは一旦ロッドをおさめるというのが暗黙のルール。そうしないとラインが絡まってしまったり、トラブルの元になります。

 

昼前には数も十分に釣ったので引き上げることに。サーモンをホールドしていた右腕が少し痺れていました。サーモンの釣りは全身を使ったフィジカルな運動なので、数が出るとドッと疲れます。帰りの車まで道のりが長かったですね。

 

 

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Chum Salmon

 

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Chinook Salmon

 

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Coho Salmon