ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Color Boosting

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

 

色調補正の際には脳内にイメージサンプルが必要

 

大体のカメラはノーマルで撮影すると、特定の色味に偏らないようにカラーバランスは調整されてます。これは誰が見ても一応自然に見えるように設定されているということ。まあ、要するに誰が撮っても同じに仕上がるということです。それでは面白くないので、ここが色調補正のスタート地点になります。

 

色調補正は様々な方向があって、人それぞれ。大きく弄る場合もあれば、さほど弄らない場合もあります。その素材の適正とその日の気分でしょうか。私のひとつのやり方で、それぞれ素材の中で強調したい色味を見つけて、その色味を写真の主役にするというのがあります。もちろん色そのものよりもそこに写っている主題がメインとなるので、正確にはサポートの重要な役割を担ってもらうということですね。

 

具体的には素材の中で平均的に散らばった色味の中で、ある色味だけをブーストしたりするわけですけど、様々なやり方があります。単純に現像ソフトのカラースライダーで変化させたり、また特定の色味のフィルターを被せてみるというやり方もあります。最近、このフィルター機能は現像ソフトはもちろんカメラ内にも設定されていてとてもポピュラーな機能です。

 

私の場合はPhotoshopプラグイン•フィルターであるNik Collectionを使ってますけど、利点は設定が細かく指定できることです。カメラ内の機能は大雑把すぎて微調整が効かない傾向にあり、そのフィルターの色が強調され過ぎると、逆に作品をスポイルしてしまいます。フィルターは誰にでも簡単に使えるのですけど、実はそれを効果的に使いこなすのは案外にハードルが高いのです。

 

フィルター作業はスライダーを調整するだけなので簡単なのですけど、その強調される色味が、どのあたりが最も効果的なのか、もしくはやり過ぎなのか、の判断はそのマニュアルがありません。つまり100%個人の感性に依存します。沢山のスライダーを弄っていると、何が適正なのか混乱してきて正しい判断が難しくなるのですよね。この時、脳内にサンプル•イメージがあるか、ないかが大きな分かれ目になるような気がします。

 

この色味は心地良い、これはちょっと不快、というように判断するには、何かしら比較するサンプルが頭の中にあるはずです。実際、私の場合、脳内では過去に観た様々なヴィジュアルの記憶を呼び戻している感覚があります。それは写真に限らず、たぶん絵画、映画なども含まれるはず。実は私は絵も描くのですけど、この写真のフィルター作業は絵を描いてる時の脳内作業に近いと感じるのですよね。

 

写真の色調補正では、今回書いたような特定の色味の増減作業が必ず必要だというわけではありません。あくまでノーマルに近い形で仕上げたい人もいるでしょうし、色なんて興味ない、自分はモノトーン一本だ、という人もいるでしょう。ただ、もしフィルター作業に興味があるのでしたら、イメージのストック、特に写真よりも人間の感性の比重の高い絵画をより鑑賞していくことがとても良い勉強になりますよ、というのが今回のお話でした。

 

 

Today’s Art 4 | Laura Knight LFM