ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Helios 44-2 58mm 2

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Sony A7 II + Helios 44-2 58mm 2

 

一部のオールドレンズ+ニューボディ派の人たちの間で噂になっていたロシアン•レンズのHelios 44-2 58mm 2。海外ユーザーのYoutubeレヴュー動画も何本かあります。とにかくグルグル回るボケが特徴なのだとか。第二次大戦終戦間際、ソ連がベルリンを占領した際、ツァイスの工場から人材も含め全て奪ってロシアに持ち帰り、コピーファクトリーを作ったとのこと。このレンズはビオターというレンズのフルコピーというのがこのレンズにまつわるお話。eBayでロシアのディーラーから購入、確か50ドルくらいだったかな。まあ、この値段ならハズれてもほどショックもない、という判断です。

 

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Sony A7 II + Helios 44-2 58mm 2

 

ロシアからカナダまでレンズが届くまで4週間以上はかかりましたね。陸送で来たのかと思うほど。(まさかね)ほとんど忘れてました。レンズの程度は、まあ、使用感はありますが、大きな傷などもなく各機能も問題ありません。絞り、ヘリコイドも状態は良好。a7シリーズで使用の際はM42-NEXのアダプターが必要です。このレンズ、実は絞りがふたつ付いてます。古いカメラで使うときに何やら便利なシステムだったようで、よくわかりませんけど。外側を例えばf4に合わせて、内側をそれに合わせるとf4になるのではなくて開放f2になります。その状態から内側の絞りを右に回していくとf2.8、f4と絞られます。言葉にするとややこしいのですが、実際に動かしてハネの開き具合をみれば、すぐに理解できます。

 

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Sony A7 II + Helios 44-2 58mm 2

 

早速、そのグルグル回るボケを狙って外で花を撮影。昼間、比較的光量があってハイライトの反射が出やすい状況で絞り解放で撮るとそのボケは作れます。サンプルを見てもらうと分かりますが、結構、盛大にグルグルが来てますし、玉ボケも綺麗に円になっています。ピンがきてるところは案外にシャープに解像しており、思ったよりもモダンなレンズという印象があります。ただ開放でf2なので、とろけるような大きなボケを狙うタイプではありません。写真は全て絞り解放なのでf2ですね。画面中心のオブジェクトにピンを合わせれば、その周辺にボケが回り易いと思います。あんまりやり過ぎると、ちょっと煩いという気もします。f4辺りまで絞るとこのボケは出ませんし、とてもシャープな画像になります。

 

結論としては、そのボケが狙った意図に必要で効果的ならば良いと思いますが、ボケの効果を出すために主題を選ぶようになると本末転倒です。ましてやこの癖のあるボケと作品の兼ね合いを考えると、使い方は限定的になるかもしれないという印象ですね。次回はこの癖のあるボケのことは忘れて、風景写真で少し絞ってテストしてみます。

 

 

Today’s Music 14 | Punch Brothers 2

 

前回に続きもう一本、パンチ•ブラザーズ。彼ら本来の演奏スタイルであるこちらを先に紹介するべきだったかも。アメリカンルーツ的であり、アメリカへ移民した人たちの母国であるスコットランドアイルランドの伝統音楽の匂いもします。それにしてもこの強烈なドライブ感.. 黒人音楽をベースにした音楽とは全く異なりますね。この曲はインストルメンタルですが、マンドリン奏者のクリス•シーレーがボーカルを取る曲も多いです。

 

彼らは通常のブルーグラスのバンドと区別され、プログレッシブ•ブルーグラスと呼ばれてます。ジャズとクラシックの要素を加え、演奏をよりインプロヴァイズ出来るようにして自由度を上げ、音楽表現の幅を拡げています。私自身はブルーグラス、カントリーの分野はどちらかと言うと、今でも苦手な分野なのですが、彼らがジャズやクラシックのアーティストと共演することで、逆にそちら側から引き込まれた形です。と言っても、パンチ•ブラザーズ周辺のミュージシャン以外は今でもよく知りませんけど。何でもちょうど今、ブルーノートで来日公演しているみたいですね、いや、ほんと、うらやましい。

 

私の超お薦め盤は2018年にリリースされた『All Ashore』ですね。このアルバムは昨年のフォーク部門のグラミー賞受賞。フォーク部門、ってちょっとひっかりますけど、彼らのジャンルを突き抜けた音楽を収めるカテゴリーが他に無かったのでしょう。アール・デコのポスターのようなアルバム•ジャケットも秀逸、好きです。他のアルバムを全部しっかり聴き込んだわけではないのですけど、それぞれのアルバムでポツリポツリと芽生えていた萌芽がこのアルバムで一斉に開花した感じです。普段、私たちはデジタルで増幅された音に耳が慣れてしまってるわけですが、彼らの5本の弦楽器の凄まじい生音はあなたの心臓をワシ掴みしてガシガシ揺さぶるかも知れません。

 

 

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