ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Jupiter-8 50mm 2

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

eBayで新しく手に入れたロシアン•レンズのJupiter-8 50mm 2のテスト撮影です。アダプターは「M39-NEX」となり、M39は主にレンジファインダー用のフォーマット。Helios 44-2 58mmが案外気に入ったので、他のロシアン•レンズはどうなのか、以前からちょっと気になってました。このJupiter-8 50mm 2はZeissの銘玉Sonnarのコピー品とのこと。アダプターがかなり薄くレンズ自体も小振りなこともあり、a7シリーズに付けると非常にコンパクトで、シルバーのアルミ鏡筒とブラックボディの組み合わせもなかなかクラシックな雰囲気。

 

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Sony A7 II + Jupiter-8 50mm 2

 

描写の印象ですけど、まず、柔らかさ、繊細さ、という言葉が浮かびます。描写の線が細いというか、例えばHelios 44-2 58mmがHBの鉛筆で描いたとするなら、このレンズは2Hの鉛筆で描写された感じでしょうか。コントラストと彩度もモダンなレンズに較べると低め。私は現像の際に彩度を少し上げて好みの色味に補正しており、オリジナルの撮って出しではありませんのでご注意のほど。ただコントラストに関してはいじっていません。このレンズの特徴は、私が持ってるレンズの中ではKern Switar AR 25m f1.5に近いかも。多分、曇りの日にその持ち味を発揮するような気がします。

 

2枚目は室内写真ですが、絞り解放で2です。背景に綺麗な玉ボケが出てますが、Helios 44-2 58mmのように暴れるようなボケは見受けられず、とても自然。フォーカスされたガラス器も繊細でいながらシャープに解像されてるのが分かります。3枚目も絞り開放で屋外での野草を撮ったものですが、細かな野草の密集部分も潰れることなく、線が細いながらも綺麗に描写されています。

 

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Sony A7 II + Jupiter-8 50mm 2

 

実はこのレンズ、値段も50ドルほどであまり期待していなかったのですけど、想像以上に自分好みのレンズで嬉しい誤算でした。欠点があるとすれば、最短撮影距離は1mで寄れないこと。レンジファインダー用のレンズは寄れないものが多いらしいです。まあ、寄るためのレンズは他にあるので、このレンズにそれを求めなくても、という気分ではあります。このレンズのシリーズで、Jupiter-3という50mmで絞り解放1.5という上位モデルがあり、そちらの描写もちょっと気になってきました。

 

 

Today’s Music 38 | Miles Davis

マイルス•デイヴィスのあまりにも有名なあの「So What」の演奏です。私はこの時期のマイルスが一番クールで好きかも。彼はテーマを吹いてソロに入りますが、全くのアドリブというよりは録音盤のソロをベースにして崩しておらず、その抑制されたトーンが曲の雰囲気を次第に盛り上げて行きます。次にソロを取るジョン•コルトレーンもまさに彼のキャリアの最盛期に相応しいソロを展開、マイルスとは逆に吹きまくってます。マイルスは自分のソロが終わるとバックに下がり、タバコを一服してスタッフと話をしてる姿が映ってますけど、昔のジャズって、こんなシーンが多かったような気がします。今はステージではもちろん禁煙ですし、多分、ジャズクラブも当たり前ですけど、禁煙なのでしょうね。