Sigma DP2 M
このカメラ、画質は本当にびっくりさせられることがあります。他のカメラとの比較が難しくて全く異質な画質。使い方としては情報量が多い風景などを吟味して、パンフォーカスで精密に写し撮るという感じですね。街中を手軽にスナップシュートするカメラではありません。晴天以外は手ぶれ補正も無いので、三脚があったほうがいいかも。このサイズのカメラに三脚持参というのも、あれなんですけど。それでも、もしグランドキャニオンとか行く機会があったら、3脚抱えても、是非持って行きたいですね。アンセル•アダムスにデジタルカメラで近づけるのは、もしかしてこのカメラかもという気がします。
ピントの合わせも遅いし使い難いのですが、大判のフィルムカメラ並みの画質が手に入ると思えば、多少の不便さは我慢できます、かな?いや、自信ないです。私も最近、このカメラを滅多に外に持ち出しませんし。このカメラの画質と自分の写真スタイルにちょっとズレがある、というのもあるのですけど。もう一つ問題はLAW現像でアドビのソフトがいまだに対応してくれないことです。シグマの専用ソフトの使い勝手の悪さと来たら、ホント涙が出てきます。LAW現像ソフトと言っても、JPEGに即ファイルコンバートして後はPhotoshopで作業という流れ。それだったら最初からJPEGで撮ってPhotoshopで開けよって話。今年はもう少しこのカメラを持ち出して、もっとそのポテンシャルを引き出したいのですけど、カメラ選択の優先順位が3番手、4番手のポジションではなかなかね。
Today’s Music 8 | Chet Baker
チェット•ベーカーの「枯葉」。この時期、かなり麻薬に溺れていたはずですが、麻薬中毒者とは思えないほど演奏にキレがあります。74年同じメンバーでCTIからアルバムを出してまして、この映像は多分その頃のもの。若い頃のスティーブ•ガットが珍しく4ビートを叩いているんですよね。この頃、スティーリー•ダンとかのアルバムなどでは驚異的な16ビートで演奏してまして、この時代、正に引っ張りだこのスタジオ•ドラマー。ボブ•ジェームスがピアノですが、フェンダーのローズ弾いてます。ベースのロン•カーターの音質もエレベっぽいので、この3人のバックは確かに多少フュージュンの匂いがします。
この当時、CTIは従来のジャズと流行りのフュージョンを何とか融合させてアピールしたかったみたいですが、ジャズファンからは冷ややかに見られていたようです。リズム隊がフュージョンでも、メインの奏者はハードバップから抜け出せず音的には新鮮味に欠けていました。一方ではマイルス•ディヴィスのように革新的なモーダルな路線でジャズを引っ張っていた人たちもいたわけで。ただ、私は今、この時代のCTIの音、結構好きですね。見え透いたコマーシャルなアルバムも確かに多いのですけど、それも案外悪くないです。まあ、歳のせいでしょうかねぇ。