ひぐらしカメラ 2

カナダのビクトリアに居住。写真、音楽、釣り、映画。

Small Spring Signs

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

単焦点レンズとズームレンズでは脳内のイメージ選択フィルターが変わるって話をちょっと書きます。

 

当たり前の話なのですけど、標準レンズでマクロ並みに寄れるレンズを使用すると、シャッターチャンスが2倍になります。頭の中は常に通常の50mmの画角とマクロの寄りの画角の両方を意識していますから、撮影ターゲットを探しているとタイプの違う2種類の撮影候補が視界に入ってきます。脳内に二つのフィルターがセットされた感じですね。

 

このことは旅先など時間が限られた中で撮影する時に、二つの異なるアングルからイメージを切り取れるのでとても有効という気がします。それに加えてレンズが明るいとボケの効果を付加することができるので、厳密に言うと「標準画角」「マクロ」「標準+ボケ」「マクロ+ボケ」と絞りの加減で4種類のタイプのフィルターが脳内にセットされ外からの情報を振り分けているわけです。

 

で、これをズームレンズに当てはめて想像してみると、頭の中は大変なことになってることが分かります。広角から望遠まで、もしレンズが明るくボケてくれるのならそのバリエーションも加えて、膨大なフィルターをセットすることになります。と書きましたが、これは脳がそれぞれの画角を認識出来て、視覚に入ってきたターゲットをその画角に振り分けることが出来ると言う前提の話でして、これがしっかり出来る人はかなり少ないはず。

 

大方の人は大まかに広角、標準、望遠の3種類ほどの画角に振り分けて、撮影ターゲットを探します。それでも頭の中に常に3つほどの選択フィルターを掛けて、撮影対象を探すと言う行為は相当な負荷を掛けてるはず。私がズームレンズの使用を避けているのは、この負荷のせいで撮影に集中出来ないためです。このように初心者はとりあえずズームを選択、というのは、ワタクシ的には実は逆だと思うのです。画角がズームによって簡単に変化するために、それぞれの画角の特徴をしっかりと掴めきれていないでは?

 

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Olympus OM-D E-M10 II + Voigtlander Nokton 25mm 0.95

 

初心者が単焦点レンズを使うメリットは、この画角の特徴をしっかりと頭に叩き込めるということ。一つの画角とボケ表現を加えただけの少ない制約の中で、一定期間、作品を掘り下げるというのが上達の近道ではないでしょうか。標準の50mmに慣れてきたら広角の28mm、それに慣れたら望遠の135mmというようにそれぞれの画角の特徴を頭に叩き込み、それに合わせたイメージを上手く切り取れるようになったのちに、望遠レンズを手にすればその恩恵を最大限に活用できるはずです。かな?この辺り、私はズームレンズを使わないので、テキトーに想像で書いてます。

 

私の場合、単焦点50mmから先に進めていないので、他の画角の単焦点レンズはもちろんズームレンズの使用は先の先になりそうです。まあ、先に進めていないというよりは単焦点50mmが好きなので、あえて留まっているということを言い訳にしているわけですけどね。